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三菱重工は在日米軍のF-15戦闘機などの整備を請け負う

報道
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先日、日本経済新聞が報じていた内容なんだけど、ネット記事は会員限定記事だったので詳細が不明だったんだよね。で、気にはしていたんだけれど、韓国メディアが報じていたので記事にしていこうと思う。

駐日米軍F-15戦闘機定期整備「韓国→日本」…米・日同盟密着

入力2024.05.15. 午後3時07分 修正2024.05.15.午後3時13分

日本政府が軍事的脅威を強化している中国を牽制するため、駐日米軍戦闘機整備・保守対象機種を拡大する予定だと伝えられた。既存の韓国で行っていた一部の戦闘機の整備も日本で行われる。

NAVERより

あー、こういう報道の仕方はありなのか?いや、アリなんだろう。おそらく日本経済新聞は紙の方ではしっかり読めるように書いてあるんだろう。ネットだけ会員限定記事にしてあるだけで。

で、内容なんだが、残念だったね?と言うべきか。韓国でやっていた在日米軍の戦闘機整備を日本でやるという話である。

整備拠点は日本に移す?

日本で戦闘機の整備をする

そうそう、日本経済新聞の記事も引用しておこう。

米戦闘機の国内整備、機種拡大

2024年5月15日 2:00

日本政府は日本に駐留する在日米軍の戦闘機に関し、国内で定期的に整備する対象機種を広げる。航空自衛隊機で整備実績がある三菱重工業とIHIに受け入れ拡大を打診する。日本国外で実施していた機体の整備を国内でも可能とする。

日本経済新聞より

ネット記事だとこんな感じの報道になっていて、その機種に関して「F-18」や「F-35」の他は読むことができなかった。

あ、「F-18」は艦載機であるF/A-18E/F「スーパー・ホーネット」のことだと思う。「F-35A」に関しては、三菱重工がFACOを整備しているので、やるのは当然なんだけど、F-35BとかF-35Cに関しては不明。おそらくは整備するんだろうな。また、エンジンはIHI瑞穂工場でやっている。

アジア太平洋では2か所のみ F-35戦闘機のエンジン整備拠点が運用スタート IHI

2023.07.02

防衛省は2023年6月29日、航空自衛隊が導入・運用しているステルス戦闘機F-35「ライトニングII」のエンジン整備拠点(リージョナル・デポ)について、態勢構築が完了したことから、運用を開始すると発表しました。

乗り物ニュースより

IHIは、先日ちょっとやらかしたニュースが報じられていたが、整備技術に関して言えば日本はアメリカを凌駕する部分があるほどキッチリとやる。三菱重工だって、色々良くない噂を聞くこともあるが、兵器の整備はキチンと出来ているようだ。

当然、アメリカ軍としても「日本整備でイイヨね」という話になっても不思議はない。

大韓航空で整備

ただ、これまではF-15戦闘機とF-16戦闘機に関しては韓国でやっていたんだよね。

日本経済新聞は15日、在日米軍の戦闘機のうち、F-18と最新鋭戦闘機F-35を日本で整備・補修しているが、これに加えて新たにF-15、F-16を追加することにしたと報じた。日米政府は来年以降の運用開始を目指し、三菱重工業などと協議を開始する予定だ。

NAVER「駐日米軍F-15戦闘機定期整備「韓国→日本」」より

これは、大韓航空が韓国空軍保有のF-15KとKF-16のノックダウン生産を行っているため、「整備も出来るよね」ってなことだったからだと推測する。

韓国の方が整備コストが安かったという事情もあったようだが、ノックダウン生産出来るノウハウがあれば、整備はそれなりに出来るんだろうね。このブログでは韓国軍の兵器に関して整備問題を指摘しているが、韓国軍の場合は整備の能力が低いという以前に、整備にお金を使いたがらない。

故に、色々なトラブルが発生する。

一方で、整備能力が低いのか?というと、「高い」という話は聞かないが「低い」わけではなさそうである。良く共食い整備などと揶揄したものの、日本の自衛隊だって笑えない実情がある。部品の調達に苦労するのは、何も予算の問題だけではなく、部品が品薄で調達に時間がかかるケースが増えてきているかららしいが。

整備体制の見直し

しかし、この整備体制を見直すよと言うのが冒頭のニュースである。

現在、在日米軍のF-16戦闘機は本州北部の青森県三沢基地に、F-15戦闘機は沖縄県の嘉手納基地にある。両機種はそれぞれ50機ほどある。これまで両戦闘機の日常的な整備は各基地で行い、数年に一度の定期整備は釜山で大韓航空が行っていた。釜山で行っていた戦闘機の定期整備を今後は日本の三菱重工業などに任せるということだ。

NAVER「駐日米軍F-15戦闘機定期整備「韓国→日本」」より

ふーん。

日本経済新聞によれば、短期間で補修して東アジアでの中国などの動向に機動的に対応できる体制にするという狙いがあるようだ。確かに日本で使っているのに、整備する時だけ韓国に持ち込むのは不合理ではある。

少なくともF-15に関しては日本でもF-15Jの生産を行っているので、技術力に不足があるという話にはなりにくいし、F-16についても航空自衛隊が運用するF-2戦闘機は、実質F-16のようなものだから(注:形が似ているだけであるが)、整備をするのはやれるんだろうと思う。

じゃあ、何故今まで韓国でやってきたのか?正確な部分はちょっと背景が良く分からないというのが、正直なところである。推測は上で書いた通りだが。

DICASにて内容を調整

とにもかくにも、そんなわけで日本で在日米軍の戦闘機の整備をすることになったわけだが。

この話、未だ本決まりではない。恐らくは実現すると思われるが。

日本メディア「在日米軍のF-15・16戦闘機を韓国ではなく自国で整備」

2024.05.16 10:43

日本政府が、中国の脅威が増加したことを受け、韓国で行われていた在日米軍戦闘機の整備を自国で進める案を推進する。

15日付の日本経済新聞によると、日本は韓国で行われていた米軍F15、F16戦闘機の整備を自国で実施する案を論議中だ。これは4月に開催された米日首脳会談で合意した「日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議(DICAS)」で詳細を詰める予定だ。

中央日報より

これはもしかして、日本側がアメリカ軍の戦闘機整備費用を負担する流れか?或いはそういう可能性もあるかもしれない。

原則的に米軍戦闘機のメンテナンス費用は米軍が負担する。このような費用を日本国内の企業に支払う場合、自国の防衛産業にも活力を吹き込むものと日経は見通した。また、日本はこれを通じてリードタイムを短縮し、中国とロシアの軍事活動に対応できる機動性も向上するものとみている。

中央日報「日本メディア「在日米軍のF-15・16戦闘機を韓国ではなく自国で整備」」より

「原則的に」と書かれている辺り、ちょっと怪しいよね。

そして、基本的には韓国に整備費用が落ちなくなるのだから、韓国側は文句の1つも言い出しそうだが、韓国メディアを探してもそんな論調は見受けられない。

これが一体何を意味するのかは不明だ。

そのうち追加情報が出てくるのを期待したい。

コメント

  1. アバター 山童蛇足 より:

    まともな整備できるQCの国が日本しかないからでないですかね?
    昔、機種は忘れたけど、イタリアに戦闘機の整備を任せたら、高度計の調節がいい加減で、その為に高さを誤って、尾翼をケーブルカーのケーブルに引っ掛けて、遠足の子供たちを死なせた事件あったでしょう? イタ公なんかに任せるから。
    なもんで、「ウリらがやるニダ」とか言われても米軍は「ちょっと……」となる。
    消去法で日本しかない!って話になるんではないですかね?

    • 木霊 木霊 より:

      聞き及ぶ限りでは日本の整備は優秀だよってことらしいですが、韓国でまともな整備が出来ないのであれば今までやっていなかったでしょうから、さほど問題は無かったのだと思いますよ。
      ただ、過去の韓国での報道を見ると、おかしなケースもあったようですから、これを機に見直しが進む可能性はあるんでしょう。

  2. アバター 匿名 より:

    どーも匿名です。
    韓国と言えば最近はネイバーのライン絡みで話題になってますなあ
    今回日本政府がネイバーに株売却圧力をかけたのは、どうやらネイバーのサーバーから韓国の情報機関が日本人の個人情報を集めていたという噂がありまして。
    まあ嘘か本当かはわかりませんが日本政府が動くのですからよっぽどのことですな

    • 木霊 木霊 より:

      どこの匿名さんでしたか分からないのですが、どうも?

      ともあれ、危機感があるからこそ動いたのでしょうね。
      そんな感じの記事は別に書かせて頂きました。良ければハンドルネームをつけて頂ければと。

  3. アバター 七面鳥 より:

    こんにちは。

    単純な重整備なら、大韓航空でもどこでも、ノウハウがあれば良いのでしょうけれど。
    一朝事あらば日本海飛んで整備なんて悠長なことやってられないし、米軍機と韓国軍機で仕様違いによる情報流出の問題も(なんならGSOMIAがらみで)懸念されたのでは、と思ってしまいます。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      恐らくは部品のストックの問題だと思いますから、韓国でやっても今までのようにさほど大きな問題にはならないのでしょう。
      この話自体は、もうちょっと踏み込んだ報道が出てこないと何とも。

      • アバター 七面鳥 より:

        よく考えたら、紛争発生時、後方の在日米軍が、鉄火場になってる朝鮮半島まで整備しに行くのはおかしな話なんで、そういう意味が強いかも、とも思いました。

        • 木霊 木霊 より:

          なるほど、台湾有事の他に半島有事を現実のものとして捉えているという風に理解すべきなんでしょうね。

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